地震大国と言われる日本では、近年地震への強さが住宅に求められます。
過去様々な大きな地震があり、今後もいつ大きな地震が起こるかわかりません。
今後の大きな地震への備えのため、過去の大きな地震が起こった時に「倒れなかったお家」を基準に備えるのも良いでしょう。
そこで今回は、過去の大きな地震で倒れなかった家はどんな家だったのかをご紹介します。
□過去の地震で耐え抜いたお家の特徴
直近の日本では下記のように中規模以上の地震が頻繁に起こっています。
- 2019年8月4日 福島県沖(最大震度5弱)
- 2019年6月18日 山形県沖(最大震度6強)
- 2019年5月25日 千葉県北東部(最大震度5弱)
- 2019年5月10日 日向灘(最大震度5弱)
- 2019年2月21日 胆振地方中東部(最大震度6弱)
- 2019年1月3日 熊本県熊本地方(最大震度6弱)
- 2018年9月6日 胆振地方中東部(最大震度7)
- 2018年6月18日 大阪府北部(最大震度6弱)
- 2018年4月9日 島根県西部(最大震度5強)
震度5を超える地震では、お家の中にあるテレビ台や食器棚が倒れる被害があり、自転車もまともに運転できない規模だと言われています。
このような大きな地震での被害にあったお家の調査で下記のようなデータがあります。
【熊本地震における被害率】
引用:国土交通省HP 『熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書 概要』の「3.3 木㐀建築物の被害の特徴と要因」参照
URL:https://www.mlit.go.jp/common/001155088.pdf
- 木造住宅全体:1995棟
- 無被害 414棟(21.2%)
- 軽微、小規模被害 1014棟(51.9%)
- 大破 230棟(11.8%)
- 倒壊 297棟(15.2%)
このうち、2000年以降の新耐震基準の木造住宅(全319棟)で大破が12棟、倒壊が7棟とほとんどが旧耐震基準で建てられたものでした。
さらに下記のように頭数が圧倒的に異なりますが、耐震等級3の木造住宅には大破、倒壊した建物がありません。
耐震等級3の木造住宅
- 無被害 87.5%
- 軽微、小規模被害 12.5%
耐震等級1の木造住宅
- 無被害 60.1%
- 軽微、小規模被害 33.6%
- 大破 4.0%
- 倒壊 2.3%
以上のことから、新耐震基準で建てられた(2000年以降の建物は全て満たしている)耐震等級3の木造住宅は地震に対して強く、過去の大きな地震にも倒れにくいことがわかります。
□耐震等級3の基準は?
耐震等級とは、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が実施している「住宅性能評価制度」における地震が発生した時の、建物の倒壊しにくさや損傷の受けにくさを等級づけしたものです。
耐震等級には下記のように3つの階級があります。
耐震等級1
極めて稀に発生する大規模地震(関東大震災時の東京、阪神淡路大震災の神戸)に対して、倒壊や崩壊しない程度に耐えられるかどうか、東京を想定して震度5強相当の地震に耐えられるかどうかが基準です。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられるかどうかが基準です。
長期優良住宅では、この耐震等級2以上が求められます。
耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の地震に耐えらえるかどうかが基準です。
先ほど挙げた熊本地震では震度7の揺れが2度立て続けに起こり、1度目は耐え抜いた住宅が2度目の地震で倒壊した住宅があった中、耐震等級3の住宅は2度の震度7の揺れに耐えたと判明しています。
□まとめ
今回は、過去の大きな地震で倒れなかった家はどんな家だったのかをご紹介しました。
地震に備えるのであれば、過去の地震を振り返り、どういうお家だと耐えられるのかも1つの基準として考えてみてはいかがでしょうか?