近年人気が高まっている高気密高断熱住宅は、高い気密性と断熱性によって、室内の空気が一定に保たれやすくなるというメリットがあります。
一方で、通気性が弱まってしまい結露が発生しやすくなってしまいます。
今回は、結露の仕組みとともに高気密高断熱住宅での結露対策を解説します。
□結露が発生する仕組みとは?結露の種類とともに解説します!
空気が含む水分量には上限があり、これは温度によって異なります。
温度が高ければ高いほど、より多くの水分量を含められます。
この温度と空気中の水分量の関係によって、結露は発生するのです。
例えば、冬になると、部屋の暖かい空気が冷えている外へ出ていきます。
部屋の温度は外よりも高いので、より多くの水分量を空気中に含められます。
部屋の暖かい空気中の水分量が40で、外の冷たい空気中の水分量の上限が30であった場合、10の水分が外の空気には含められなくなるのです。
空気中に含められなくなった水分は液体の水として現れます、これが結露です。
結露と言われると、窓ガラスに発生する結露が思い浮かびそうですが、それ以外にも結露は存在します。
結露には、外部結露と壁体内結露の2種類あります。
外部結露は、目に見える場所に発生する結露です。
窓ガラスによく見られます。
一方で、壁体内結露は目に見えない場所に発生する結露です。
天井や天井裏、床下などでよく発生します。
外部結露は目に見えるので、すぐに水分をふき取れますが、壁体内結露は目に見えないので、対策が難しいのです。
また壁体内結露は、天井や床下で発生するため、家の耐久性が落ちる危険性があります。
例えば、断熱材の劣化、外壁の老朽化、柱の腐食などです。
さらに、カビも発生しやすくなり、喘息やアレルギーを引き起こしてしまう恐れもあります。
高気密高断熱住宅は、断熱性は高まっている一方で家の通気性が弱まっています。
そのため、壁体内結露がより起きやすくなっているのです。
□高気密高断熱住宅を建てる際に気を付けたい結露対策とは?
壁体内結露の悪影響について解説してきましたが、高気密住宅を建てる際はどのようなことに注意すれば、結露対策ができるのでしょうか。
1つ目は、断熱性を高めることです。
高断熱が原因で通気性は弱まりますが、断熱性を高めることは外部結露の対策になります。
窓や壁の表面を冷やさないことで、気温差が縮まり、結露が起きにくくなるからです。
一方で、壁体内結露の対策には外部断熱が効果的です。
外壁と内壁の間に断熱材を入れ、気密シートを張る外部断熱は、湿気が壁の内部まで浸透しにくくなります。
2つ目は、換気システムを取り付けることです。
24時間制の換気システムは、高気密住宅の建設では義務化されており、部屋の湿度を常に適度に保ちます。
アレルギーの原因となる物質も換気によって外に出せます。
□まとめ
今回は、結露の仕組みとともに高気密高断熱住宅での結露対策を解説しました。
壁体内結露は、目に見えないため危機感を持ちにくいですが、家の耐久性に関わる問題です。
しっかりと結露を対策して、お家を長持ちさせましょう。
当社では、換気設備導入工事も行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
外断熱×全館空調を備えた高気密高断熱注文住宅のコンセプトページもぜひご覧ください。